人は自分の匂いには鈍感だ。
この前両親が遊びにきた時、寒い日だったのに、ものすごく汗臭かった。
「今日朝から草むしりとかなんかしてきたの?」と聞いたら、
「朝から?何もしてないよ〜。どうしたの?」と聞かれたので、正直に、
「誰かすごく汗臭いんだけど」と言って、両親を嗅いでみたら、父の着ていたフリースから匂っていた。
そのフリースは私が小学生の頃に買ってから、父は夏以外いつも着ていた。
16年くらいは着ているものだった。
原因はわかったので、洗濯しても匂いの落ちないへたったそのフリースは、さすがに捨てた方が良いと言った。
臭いと言ってからも、父は自分のフリースを嗅いでも匂いがわからないようだった。
いつも一緒にいる母も、言われて嗅いでみるまでは気づかなかったらしい。
電車やバスで隣に乗ってきたら、最悪な匂いだったのに。
その後父はユニクロで新しいフリースを買っていた。
歳を取れば取るほど、オシャレさよりもなにより清潔感が大切だと思う。
毛玉や、シミ、よれ、匂いのない服を着て、安くても綺麗な靴を履くのが良い。
父は服装に興味がなく、何年も同じ服を着て、シミや毛玉がついていても、そのまま出かけてしまう。
母も、「もっとかっこよかったらな〜」というだけで何も注意してこなかった。
私が一緒に住んでいた頃は、出かける時の服は選んであげていた。
家を出て、アドバイスをする人がいなくなるだけでこんなに清潔感がなくなるとは。
母も私が一緒に住んでいた頃より気が緩んでしまったのか、ヒートテック丸見えのセーターで出かけたりしていた。
会うたびに私が注意するようになって、今では改善されてきた。
「おしゃれになんて見えなくていいから、とにかく清潔感!」と常に言っている。
時々街で見かける、ダンディーなおじいさんや、可愛らしいマダムは相当すごいと思う。
その見た目は他人を不快にさせないし、むしろ私を感心させる。
私もまだ20代だからと気を抜かず、きちんとしないと。
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